一輪のシアワセ

naminoma.exblog.jp ブログトップ

みんな此の光の中へ!

万物節   山村暮鳥 「風は草木にささやいた」 より

雨あがり
しつとりしめり
むくむくと肥え太り
もりあがり
百姓の手からこぼれる種子(たね)をまつ大地
十分によく寝てめざめたやうな大地
からりと晴れた蒼空
雲雀でも鳴きそうな日だ
いい季節になつた
穀倉のすみつこでは
穀物のふくろの種子もさへづるだらう
とびだせ
とびだせ
蟲けらも人間も
みんな此の光の中へ!
みんな太陽の下にあつまれ


中学1年の国語の教科書の巻頭にあった詩が、この「万物節」。

「誰か読んでくれる?」
「はい!」 即座に応えた声の主は、隣町の小規模校出身の女の子。
最初の授業で、いきなり手を挙げた彼女の勇気に、誰もが驚いた。
さらに度肝を抜かれたのは・・彼女の堂々たる、大人顔負けの素晴らしい「朗読」にだった。

「むくむくと 肥え太り もりあがり・・・」 絶妙な抑揚、彼女のよく響くアルトの力強い声が蘇る。
友達のいない新しい環境に飛び込んだ少女の、気迫に満ちた、とても気持ちの良い朗読。

実は、彼女には当時田舎の小学校には珍しかったTV放送部での実績があった。
そのことをご存知だった先生が、彼女の能力を発揮する場を用意されたのかも知れない。
ともあれ、先生は彼女にもみんなにも、エールを送ってくださったのだと思う。

毎年、新入学・進級の季節を迎えると思い出す、あの日の彼女の「万物節」。

みんな此の光の中へ! みんな太陽の下にあつまれ

a0125343_1403963.jpg

[PR]
by nonisaku-hana | 2011-04-08 10:11 | 思い出
line

花鳥風月を友とし、ささやかな幸せを喜び感謝するわたしの大切な日々。


by nonisaku-hana
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite